発作性上室性頻拍症でアブレーション
発作性上室性頻拍症でカテーテルアブレーションの体験談です。
アブレーション(焼灼術)により当該症状を根治することができま
した。参考になる方もいるかもしれないので経過を書いてみます。
症状
たま~に頻拍が出るけども1~3分でおさまっていました。
このパターンが治療の4~5カ月前ぐらいからあり、
その後、徐々に頻度が増え、継続時間が長くなりました。
いくつかの病院通いの中、投与薬はワソラン、ワソランが効か
ず次がインデラル、そしてべプリコールと処方薬も変化。
病院
アブレーションをする病院は、アブレーションの名医がいて、
手術実績もトップ争いをしている病院だったので、少し安堵
して外来にかかりました。アブレーションは混雑のため1ヶ
月後。入院は、2泊3日とのことでした。
病院は、手術室およびオペチームがすばらしかった半面、
外来看護師、病棟看護師とも評判どおり対応が悪かったため、
病院名は伏せておきます。
オペ
オペ室に歩いて入室。直前に治療した患者がストレッチャー
に乗ったまままだオペ室の端にいました。えっ・・。
何人かのオペ担当の方たちが、使用したばかりのカテーテル
を拭いているようだったのでギョッとしたけれども、手術台へ。
※カテーテルを使用する部屋はカテーテル検査などが一般的な
用途なので手術室ではなく、カテーテル"検査室"とかカテー
テル"治療室"とかが正解かもしれません。
でも、カテーテルを使用して"焼灼術"をほどこす、ということで
"手術"とか"オペ"とか書いている記載もたくさんあります。以
降は手術やオペを用います。
術前準備中に聞こえてきたのは、「え、上室性頻拍だけ?、
今日は色々なのがあったから・・」と、補助看護師の明るい声。
当日5番目の手術が私。百戦錬磨らしい実績のあるこのチー
ムには、あまりにも単純なものらしい。
◇
心臓カテーテルは右腿の付け根から3本、右首筋から1本。
局所麻酔で痛みなし。
壁側はガラス張りで、何人か人が。見学者かなぁ。
カテーテルを操る担当医は私と会話しながら進めます。
手術チームとしては何人か別にいて、後方で心電図などのモ
ニタに張り付いている様子。
意図的に頻拍を起こさせ、その根源を探り、神経路(伝送路)
を焼灼 (焼いて断ち切る) してしまうことが根治の方法です。
電流を流し頻拍が起きる箇所を見つけ、「これ、いつもの頻拍と
同じ感じですか?」と担当医。「同じです」と私。
根源を定めるようにモニター側の医師が「OK、そこ」と発する。
○○度で20秒」、と言ってアブレーションを開始。
焼灼温度は何度と言ったかちょっと忘れました。
「16、17、18、19、20秒、いいね」とモニター側。頻拍が
止まった。モニター側が少し焼きが足りないと判断したのか、
「もう少しいくか」と、「○○度で○○秒」と号令をかける。
担当医はあくまでカテーテルの操作者に徹し、後方の人たち
が絶妙な判断で焼灼ポイントや、焼く秒数を決める。
まさにチームワーク。なんかカッコイイ。
◇
このころから緊張がとれた。
するとまたすぐに頻拍が起こった。まだ焼きが足りないのかと
思ったら、二か所目を発見したとのこと。
また焦点を定め焼灼開始。カウントの声がオペ室に響く。「う~
ん、いいかな、大丈夫でしょう、OK」と、波形などをチェックして
いるモニター側の声。
◇
他の箇所を探っているうちになんと、三度目の頻拍が起こる。
「この頻拍はこれまでと違うでしょ、どうですか」と担当医。
なんとなく脈が強いような気がしたけど「わからない」と返事
をしました。
どうも予想外ところで頻拍が発生したみたい。
担当医が、この場所は手術の準備内容が違うから今回は対
処できないと言いました。
左心房(左上)だそうだ。電流を止めると頻拍も止まる。
その後、造影剤を入れて狭心症、心筋梗塞などの気があるか
調べて手術は終了。
オペ室に入ってからほぼ一時間で終了です。
術後
担当医のお話し。発作性上室性頻拍症の回帰性のもの。
房室結節から電気信号が心室に入ってすぐに、くるっと方向
転換して心房に戻っていた。
もう一か所も、すぐその(向って)右隣にも戻り道があったとの
こと。しかし、二か所とも根治したでしょう、と言ってくれました。
それぞれ焼灼した範囲は10円玉ぐらいの大きさだそうです。
最後に見つけてたのは心房細動。今は発症していないけど
電流で刺激したら簡単に起きたとのこと。
年をとると誰でも可能性が高くなるけれども、死ぬまで発症し
ない人もいるし、発症する人もいる、
こればかりはわからない、と説明されました。
感想
術前にネットなどで手術体験記などを見たけれど、焼灼時に痛
みを感じたとか、途中で手術が中止になったとか。。
私の場合は、まったく痛みもなく手術途中から安心していました。
手術中の担当医は、局所麻酔だけの患者に対して、不安を感じ
させない話し方で終始安心感を与え続けてくれました。
以前テレビでも取り上げられたようだけれど、まさにプロフェッショ
ナルな技術集団だと思います。
根源
回帰性だったことは、手術をしてわかったこと。その回帰の仕方
は、よくネットで説明されているような、大きく回り込んだ副伝送
路ではなく、心臓のほぼ中心の心房と心室の境目あたりで、心
室入った信号がすぐにクルッと回帰して心房に戻っていました。
原因
担当医の話では、もともとわずかな間隔で神経がたくさんあるか
ら、ストレスなどによって電気経路が繋がってしまうことがありう
ると言ってました。
だけど、「ストレス」ほど、原因の推察として不確実なものはない
気がするのも事実です。
◇
わずかな隙間が繋がってしまうということは、なにか心臓に圧力が
掛るなどの外部要因により圧着したという方が現実味があるよな~
、と退院してから素人的に思っていると、頻拍が起こる少し前から
やっていたことを思い出しました。
近所の温泉風呂にたびたび通って、ジャグジー風呂の勢いのある
水流をミゾオチに長時間、当てていました。
胃部から下腹部にかけて出っ張ってきたお腹を水流でバタつかせ、
脂肪を落とすというもの。そのジャグジーにハマっていました。
◇
ミゾオチといっても水流が強いため小さ目のお椀大ぐらい凹みます。
直接的ではないけれど、心臓にそうとう影響があったと思います。
なによりジャグジー特有の強烈な振動を与え続けながら圧力をかけ
続けました。思えばそれから少し経って発症を自覚しました。
もう、経過観察もないので担当医に確認していないけれど、「ストレ
ス」よりは遥かに、現実味がある原因だと素人的な考察をしている
次第です。。
まとめ
手術をためらうこともなく決断して正解でした。今はまったく発症
しません。選んだ病院のオペチームに感謝しています。
以上です。

アブレーション(焼灼術)により当該症状を根治することができま
した。参考になる方もいるかもしれないので経過を書いてみます。
症状

たま~に頻拍が出るけども1~3分でおさまっていました。
このパターンが治療の4~5カ月前ぐらいからあり、
その後、徐々に頻度が増え、継続時間が長くなりました。
いくつかの病院通いの中、投与薬はワソラン、ワソランが効か
ず次がインデラル、そしてべプリコールと処方薬も変化。
病院

アブレーションをする病院は、アブレーションの名医がいて、
手術実績もトップ争いをしている病院だったので、少し安堵
して外来にかかりました。アブレーションは混雑のため1ヶ
月後。入院は、2泊3日とのことでした。
病院は、手術室およびオペチームがすばらしかった半面、
外来看護師、病棟看護師とも評判どおり対応が悪かったため、
病院名は伏せておきます。
オペ

オペ室に歩いて入室。直前に治療した患者がストレッチャー
に乗ったまままだオペ室の端にいました。えっ・・。
何人かのオペ担当の方たちが、使用したばかりのカテーテル
を拭いているようだったのでギョッとしたけれども、手術台へ。
※カテーテルを使用する部屋はカテーテル検査などが一般的な
用途なので手術室ではなく、カテーテル"検査室"とかカテー
テル"治療室"とかが正解かもしれません。
でも、カテーテルを使用して"焼灼術"をほどこす、ということで
"手術"とか"オペ"とか書いている記載もたくさんあります。以
降は手術やオペを用います。
術前準備中に聞こえてきたのは、「え、上室性頻拍だけ?、
今日は色々なのがあったから・・」と、補助看護師の明るい声。
当日5番目の手術が私。百戦錬磨らしい実績のあるこのチー
ムには、あまりにも単純なものらしい。
◇
心臓カテーテルは右腿の付け根から3本、右首筋から1本。
局所麻酔で痛みなし。
壁側はガラス張りで、何人か人が。見学者かなぁ。
カテーテルを操る担当医は私と会話しながら進めます。
手術チームとしては何人か別にいて、後方で心電図などのモ
ニタに張り付いている様子。
意図的に頻拍を起こさせ、その根源を探り、神経路(伝送路)
を焼灼 (焼いて断ち切る) してしまうことが根治の方法です。
電流を流し頻拍が起きる箇所を見つけ、「これ、いつもの頻拍と
同じ感じですか?」と担当医。「同じです」と私。
根源を定めるようにモニター側の医師が「OK、そこ」と発する。
○○度で20秒」、と言ってアブレーションを開始。
焼灼温度は何度と言ったかちょっと忘れました。
「16、17、18、19、20秒、いいね」とモニター側。頻拍が
止まった。モニター側が少し焼きが足りないと判断したのか、
「もう少しいくか」と、「○○度で○○秒」と号令をかける。
担当医はあくまでカテーテルの操作者に徹し、後方の人たち
が絶妙な判断で焼灼ポイントや、焼く秒数を決める。
まさにチームワーク。なんかカッコイイ。
◇
このころから緊張がとれた。
するとまたすぐに頻拍が起こった。まだ焼きが足りないのかと
思ったら、二か所目を発見したとのこと。
また焦点を定め焼灼開始。カウントの声がオペ室に響く。「う~
ん、いいかな、大丈夫でしょう、OK」と、波形などをチェックして
いるモニター側の声。
◇
他の箇所を探っているうちになんと、三度目の頻拍が起こる。
「この頻拍はこれまでと違うでしょ、どうですか」と担当医。
なんとなく脈が強いような気がしたけど「わからない」と返事
をしました。
どうも予想外ところで頻拍が発生したみたい。
担当医が、この場所は手術の準備内容が違うから今回は対
処できないと言いました。
左心房(左上)だそうだ。電流を止めると頻拍も止まる。
その後、造影剤を入れて狭心症、心筋梗塞などの気があるか
調べて手術は終了。
オペ室に入ってからほぼ一時間で終了です。
術後

担当医のお話し。発作性上室性頻拍症の回帰性のもの。
房室結節から電気信号が心室に入ってすぐに、くるっと方向
転換して心房に戻っていた。
もう一か所も、すぐその(向って)右隣にも戻り道があったとの
こと。しかし、二か所とも根治したでしょう、と言ってくれました。
それぞれ焼灼した範囲は10円玉ぐらいの大きさだそうです。
最後に見つけてたのは心房細動。今は発症していないけど
電流で刺激したら簡単に起きたとのこと。
年をとると誰でも可能性が高くなるけれども、死ぬまで発症し
ない人もいるし、発症する人もいる、
こればかりはわからない、と説明されました。
感想

術前にネットなどで手術体験記などを見たけれど、焼灼時に痛
みを感じたとか、途中で手術が中止になったとか。。
私の場合は、まったく痛みもなく手術途中から安心していました。
手術中の担当医は、局所麻酔だけの患者に対して、不安を感じ
させない話し方で終始安心感を与え続けてくれました。
以前テレビでも取り上げられたようだけれど、まさにプロフェッショ
ナルな技術集団だと思います。
根源

回帰性だったことは、手術をしてわかったこと。その回帰の仕方
は、よくネットで説明されているような、大きく回り込んだ副伝送
路ではなく、心臓のほぼ中心の心房と心室の境目あたりで、心
室入った信号がすぐにクルッと回帰して心房に戻っていました。
原因

担当医の話では、もともとわずかな間隔で神経がたくさんあるか
ら、ストレスなどによって電気経路が繋がってしまうことがありう
ると言ってました。
だけど、「ストレス」ほど、原因の推察として不確実なものはない
気がするのも事実です。
◇
わずかな隙間が繋がってしまうということは、なにか心臓に圧力が
掛るなどの外部要因により圧着したという方が現実味があるよな~
、と退院してから素人的に思っていると、頻拍が起こる少し前から
やっていたことを思い出しました。
近所の温泉風呂にたびたび通って、ジャグジー風呂の勢いのある
水流をミゾオチに長時間、当てていました。
胃部から下腹部にかけて出っ張ってきたお腹を水流でバタつかせ、
脂肪を落とすというもの。そのジャグジーにハマっていました。
◇
ミゾオチといっても水流が強いため小さ目のお椀大ぐらい凹みます。
直接的ではないけれど、心臓にそうとう影響があったと思います。
なによりジャグジー特有の強烈な振動を与え続けながら圧力をかけ
続けました。思えばそれから少し経って発症を自覚しました。
もう、経過観察もないので担当医に確認していないけれど、「ストレ
ス」よりは遥かに、現実味がある原因だと素人的な考察をしている
次第です。。
まとめ
手術をためらうこともなく決断して正解でした。今はまったく発症
しません。選んだ病院のオペチームに感謝しています。
以上です。

この記事へのコメント
カテーテルアブレーションで検索して
おじゃましています。
今、病院から帰ってきました。
医師に、カテーテルアブレーションを
受けるように言われて、
「絶対やだ!!」と、思っていたところです
やったことのある人の体験談を!!と思って。
痛くはないんですね。
でも、手術なんてしたことないから
怖くって。
先生も、「やっといたほうがいい」って軽く言うんですよ、もーーーー!!
でも、安心しました。
オペチームは、いい腕の人たちだったんですね。
その後、何の症状もなく
こうやってレポートしてくださって
とっても参考になりました
ありがとうございました
おまけ:「じょうしつせいひんぱく」を変換すると 『上質製品朴』って、なりますね。
上質製品って・・・?
私は、頻拍が頻発していたので、決断に迷い
はなかったけれど、
手術自体のリスクはやはりあるし、最終的に
は自身で決断するしかないところが結構つら
いですよね。
それと個人差はあることだけれど、それなり
の苦痛はありました。術後だけれど・・。
私の場合は、夕方の手術だったので翌朝9時
過ぎまで止血がされっぱなし(たぶん日中の
手術の方は就寝前までには取ってくれる)で辛
かったです。
あと、腰痛持ちなので術後の絶対安静は腰に
きちゃって、起き上がるのに一苦労してしま
いましたぁ~。。
よろしくお願いします。
私も同じくPSVTです。
caryさんの、アブの大成功ぶりに飛びついてしまいました。
心房細動が眠っている状態も不安ですね。
その後、いかがですか?
期外収縮はあるものの発作は無!でしょうか。
caryさんがアブを受けられた病院に興味があります。スパーDrがいる神奈川か茨城でしょうか?
お気使いありがとうございます。
術後に多かった期外収縮はだいぶ減りました。
発作はありません。やはり根治したと思います。
看護師のひどいことを書きましたので、病
院名は控えさせてください。頂いた地域の
いずれかです。
ちょっと補足しますと他の病院から紹介でデー
タを持ち込みましたので初診で手術日を決めま
した。
その外来医が有名な方。でも手術担当は別の方
です。その方(たち)も優秀だと太鼓判を押してい
ました。実際そのとおりで、術前の説明などを含
めしっかりした信頼できる担当医でした。
検索からたどり着きました。詳しい治療記が大変ためになりました。ありがとうございます。不安が少し取り除かれました。
質問なのですが、
足の付根から部分麻酔でカテーテルを挿入するとのこと・・・つまり、意識のある状態で下半身は丸裸なのでしょうか?
毛も剃ってこいと言われましたし、ものすごく恥ずかしそうです。
caryさまは如何でしたか?
色々不安があると思います。ご質問の
返信ぐらいしかできませんが、、その
いわゆるふんどし、のようなものを
自分で付けてから治療室に向かいます。
T字帯というものです。
画像検索ですぐ見れますが、事前に見
ておかなくてもよいかと・・思います。
なるほどT字帯を付けたまま手術をするのですね。
病院から、買っておけと言われましたので一応持っています^^;
少し安心しました。手術がんばります。
オペが問題なく済むといいですね。
尿管は入れました。すくなくとも絶対安静時の
約8時間は必要だと思います。